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一歩踏み出すということ。

 仕事の資料で必要だったので、とある声優さんのアルバムを借りたついでに、声優つながり(?)で坂本真綾の新譜(といっても去年の秋に出た)「夕凪LOOP」を借りてきた。
 坂本真綾の声優としての仕事は実はよく知らず、スターウォーズでお姫さま役をやってたというぐらいの認識しかないのだが、「マメシバ」という曲に出会ってから、菅野よう子氏の楽曲とともに、彼女の歌声のファンになった。この曲と、この曲の入ってる「Lucy」というアルバムは、未だにここ数年の私にとってのベストソング、ベストアルバムの座に君臨している。(それはそれで少し困ったことなのだけど。)
 そこで、今回のアルバムなのだが、なにげなく聴き始めて「あれっ」と思った。なにか引っ掛かりがないというか、さらっと流れてしまう感じ。もしやと思い、クレジットを確認したら、案の定菅野よう子の名前がなかった。
 そう、デビュー以来このコンビで素晴らしい作品を作り続けてきたとはいえ、いつまでもお互いを縛りあって同じ場所で作品を作り続けるわけにはいかない。特に、坂本真綾にとってはデビュー以来菅野よう子プロデュースの世界しか知らずに来たのだから、菅野氏から独立して次のステップに踏み出すというのは、どうしても必要なプロセスである。ただ、当然そこには産みの苦しみがある。今はその試行錯誤の時期なのだろう。このまま薄められたままの状態で終わるのではなく、数年後にはまた新たな形で濃密な世界を作り上げてくれれば、と思う。もちろん、前いた場所で一つの仕事をやり遂げたからこそ「一歩踏み出す」という言い方になるのであって、単純に「飽きたから次」というのとは意味が違う。
 ファンにとっては、以前の作品もこれからの作品も同等に存在しているので、アーチストといっしょに次のステップに踏み出す必要は必ずしもないのだけど、好きなアーチストと歩む時間軸がずれていくのは少し淋しいものである。思い起こせば今までも何度となく同じような感覚を味わってきた気がする。epoがポップ路線をやめた時も、今井美樹が布袋プロデュースになってしまった時も、露崎春女がいつのまにかLyricoになっていた時も。といっても、逆に自分の方の変化で聴かなくなるアーチストもいるのだし、関係性が移ろっていくからこそまた新たな出会いもある。

 ただ、今は、その新たな出会い、アンテナに引っ掛かって「こいつ好き!」と思うような新しい音楽に出会うことが、めっきり少なくなってしまったことが悩ましかったりもするのだが、それはまた別の話。

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