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「父親たちの星条旗」

 戦争映画というものを一度はちゃんと観ておこうということで、本作品を選択。戦時キャンペーンの茶番と実際の戦場の悲惨さを対比して描いている。内容についてはここで今更語るまでもないが、日本人から見ると、ネイティブアメリカンの彼を除き、兵士達の顔の区別がつかず、人物関係が正確に把握できないまま終わってしまったのは残念。(同じことを「虎ノ門」で蛭子能収も言ってた。) それと、日本側からの視点で描いた第2弾は、予告編を見た限りでは、あんまり観たいとは思わなかったのはなぜだろう。
 音楽担当は、クリント・イーストウッド自身。実際にどのレベルのアレンジまで本人がやっているのかはわからないけど。簡単なゆったりした旋律を、変奏曲のようにして全編通して使っている。その音楽で、「あれ?」と思ったことが2回あった。1回目は、山の頂上に最初の国旗を立てるシーン。そこで、作戦成功のカタルシスを表すような感じの曲が流れるのである。それがこの映画のトーンから考えて「あれ?」だったのだが、その後、お偉方がその旗を記念に欲しいと言ったために旗を立て替えて2本目の旗を立てる茶番劇のシーンで、実は再び同じ曲が流れたのである。つまり、ここではその茶番劇を強調するために、あえてこの一見ポジティブな曲が使われたのである。その意図は一応わかったのだけど、このシーン以外では音楽はあくまでも背景として用いられていて、ここでのみ唐突にパロディ的な意味合いを持って自己主張しているのが、非常にバランス悪く感じ、違和感を覚えた。それが2回目の「あれ?」。
 凝った演出で、逆に非常に効果的だと思ったのは、軍の資金集めのキャンペーンの式典での花火と、戦場の砲火をダブらせて見せているところ。それが、セレモニーのしらじらしさと、兵士が実際に経験した戦場の凄惨さの両方を見事に印象づけている。
 ちなみに、見たのは上野のちょっと古い映画館。「戦争映画」「上野」「平日午前」ということで、観客の90%が年輩の方々。

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